No. | マップ名 | 固有効果 | 固有の保全ボーナス | 保全点ボーナス | とくちゃん 評価(4人戦) | ||
提携4 | 大学3 | 職員3 | |||||
1 | 展望塔 | 展望塔の隣接を裏返すと2訴求点 | お金で後援者 | 2 | 1 | 0 | A |
2 | 屋外区域 | 屋外区域に隣接している通常囲い地の大きさ+2 | 1保全点 | 0 | 2 | 1 | S- |
3 | シルバー湖 | 湖の周りに2金が多い | 連続手番 | 1 | 2 | 0 | A |
4 | 商業港 | 1ターンに1度カードを3金で売れる | 大学 | 1 | 1 | 1 | B+ |
5 | 園内レストラン | 園内レストランに隣接すると1収入 | 爬虫類館/大型鳥類館 | 2 | 0 | 1 | B |
6 | 研究機関 | 動物カードの条件1つ無視 | 2機敏 | 1 | 0 | 2 | A+ |
7 | アイスクリーム屋 | ボーナスで売店無料設置/全て獲得すると各売店+1金 | 2育児嚢 | 0 | 1 | 2 | S |
8 | ハリウッド・ヒルズ | 後援者獲得ボーナス/全て獲得すると後援者レベル-1 | 提携動物園 | 1 | 1 | 1 | B- |
A | マップA | 初心者用マップ | 1保全点 | 2 | 2 | 2 | - |
0 | マップ0 | 初心者用マップ | 1保全点 | 2 | 2 | 2 | - |
とくちゃん評価:A
上級マップの中でも随一の得点能力を持つ。展望塔の周囲は4マスあり、ここを別々の囲い地にして裏返すと計8訴求点。野生復帰および爬虫類館や大型鳥類館の建設による移動で再利用できることを考えると、平均して5~6回発動で10~12訴求点くらいは現実的に可能だと考えられる。
これはシンプルに他のマップと比べて10点強のアドバンテージを持っているわけで強力なのだが、基本戦略のコスト換算の項(執筆中)でも述べているように動物で訴求点を得ようとすると概ね1訴求点あたり3金弱のコストがかかるので、以下の比較を試みてもその強さがわかると思う。
そもそも、お金を訴求点に変換するには(建設→動物の手順で)手数がかかるので、自動的に訴求点が入ってくる展望塔はそれすらも節約して周囲よりも早く訴求点を進めていくことができるわけで、順調なら非常に高速でゲームを終わらせられるポテンシャルを持っている。
一方、能力が強力な反面、以下のようなデメリットもある。
ハマれば強いことは確かなのだが、このような数々のデメリットが障害になり、ゲームが終わる頃には追いつかれて結構手数がかかってしまったりもする。それでも訴求点分のアドがあるために大崩れはしづらく、安定している印象。
一部、巷での評価は最悪みたいなのだが、著者(とくちゃん:Tomoaki Tokunaga)のBGA結果では2回に1回は30ターン未満でゲーム終了まで到達しており、30ターン以上かかったゲームでも大幅に遅れることは滅多にないので、他のマップと比べても決して悪くない。
以下、展望塔をプレイする上でいくつかポイントになると思われる事柄を挙げておく。
とくちゃん評価:S-
屋外区域周りのギミックと、提携動物園の配置ボーナスに特色のあるマップ。上級マップの中では唯一お金を得られる配置ボーナスがないが、屋外区域周りで最大4×4=16金節約できるので、ここをうまく活用していけばそこまでお金に苦労することもない。
お金の節約以外にも建設のボトルネックを解消できるのが強い。通常は改良後の建設アクションを強さ5で打っても、複数の囲い地を同時に作ろうとするとその多くが小型になってしまうが、屋外区域に隣接させれば複数を大型ないし中型用にすることができ、出せる動物の受け皿が大幅に広くなる。
保全計画収入の2スペース囲い地も然りで、これを屋外区域に隣接させれば、建設に手数をかけずに(サイズ4の)大型動物を飼う場所ができる。さらにここに飼った動物を野生復帰させれば、大量の保全点を得ながらまたこの無料の囲い地を利用できるわけで、これは他のマップにはない屋外区域ならではの効率的な動きである。
提携動物園を取れる配置ボーナスの強さも絶大で、屋外区域の戦略はほぼここに由来すると言っても過言ではないほど。通常は1ラウンドに協会職員を使って1つしか取れない提携動物園をもう1つ取れるわけで、次に挙げたようにいくつかの固有の強い動きが可能となる。研究機関の大学とは違って提携動物園は5つあるから、種類が関係しなければ取りはぐれて計画が破綻するリスクもない。(BGAの全員同じマップのゲームは除く)
このように受けが広く、ある程度どのような手札が来ても対応できるのが屋外区域の強み。できることが多い中で的確に最適な戦術を選択する必要があるので、比較的玄人向けのマップだとは思う。だが噛み合えば多少雑に進めても十分強いので、BGAでも30ターン未満の好結果を残している人が多い印象。(対戦して強いなーと思った人の履歴を見たときに、他のマップでは軒並み30ターン以上かかっていても、屋外区域は28~29ターンで終わっていたことが何度かあった。)
キーとなる提携動物園の配置ボーナスは取りやすい位置にはあるが、1回の建設で到達することは不可能なので、ユニーク建物系の後援者がないときは、マップ上辺か左辺から入って建設アクションを2~3回踏んで取る。
物にもよるが屋外区域のユニーク建物の有用さはアイスクリーム屋に次ぐレベルだと思うので、初期手札にあるときは積極的に使っていきたい。
右下からスタートして屋外区域周りをすぐに活かす手もあるが、提携動物園ボーナスの真逆なので、ユニーク建物を利用したりうまく建設を進めて早期に左上まで伸ばすプランがない限りはやめておいたほうが無難だと思う。
屋外区域周りの使用は急ぐ必要はなく、3ラウンド辺りからでも十分。コスト軽減できるとはいってもそもそも大型動物は重く、序盤は小型動物中心で拡大再生産を進めたほうが収入効率は良い。
1ラウンドのスマトラトラ出しがクローズアップされている印象があるが、これも罠だと思う。研究2の大学と後援者アクションでお金を取ってまで出したとして、それでお金が枯渇する上に収入も大して増えないので、2ラウンドにできることがかなり制限されてしまう。
屋外区域は何よりも2スペース囲い地の保全計画収入が強いので、なるべく早めにオープンにしたい。序~中盤にかけては地道に拡大再生産を進めて収入を整えた上で、終盤に潤沢になったお金を使って屋外区域周りに強力な大型動物を出しまくるような動きが一番強いと思う。
提携動物園は4つ目には保全点が付いていないので、早く取れるとはいえ一般には3つで十分。その状態で大学は取らずに保全計画中心で走りきれてしまえば一番速いが、保全計画先が少ないときはひとまず大学を取って、協会以外のアクション効率を高めて勝負する流れになると思う。
とくちゃん評価:A
シルバー湖の特徴は、主に以下の3つ。
お金は22金程度だと、他のお金系マップ(アイスクリーム屋,園内レストラン)で入る収入と比べてもやや少ないくらいだが、シルバー湖の場合は湖周りから建物を置き始めれば、序盤からこれらのお金を使って拡大再生産を推し進めることができる。
1評判の配置ボーナスが2ヶ所あるのは、他にアイスクリーム屋のみ。ここで2評判を上げられることで、他に協会アクション1回(2評判の大学を取るか、強さ2の2評判)のみで評判を5に届かせることができ、より早く安定したタイミングでアクションカードを改良できる。
保全計画キューブの決断の即時効果は、動物カードのコスト(決断は13金相当)に鑑みても他のマップの固有キューブ能力と比べて破格の効果なのだが、終盤に手数をかけずに大幅に得点を伸ばしうるので非常に強い。
このような特徴から、巷では最強マップの呼び声も高いシルバー湖・・なのだが、実は著者(とくちゃん:Tomoaki Tokunaga)のBGA4人戦の結果では、平均的な成績しか残せておらず、そこまで目に見えた強さを感じるまでには至っていない。アイスクリーム屋、屋外区域、研究機関といった他の強力なマップと比べて、30ターン未満でゲームを終えられる確率が著しく低い。(評価については、他者の結果も参考にして、自分の印象よりもやや高めの A にしてある。)
以下はデメリット側の話がメインにはなるが、著者の見落としもあるかもしれないので、シルバー湖はもっとこんなところが強いといった意見があれば、他の方の追加記事を待ちたいと思う。
シルバー湖周りで得られる22金は、動物に投じたとすると8訴求点相当で、最低限の展望塔能力と変わらない。実際、他のマップでも5金を拾えたりするから、特別な能力として見たときは決して多いわけでもない。なので、シルバー湖のメリットを活かすにはこれらのお金をいち早く有効に使って、訴求点を上げたり売店や展示館を充実させたりして収入を上げる必要がある。
収入を上げるにしても3ラウンドでは5ラウンド終了のゲームで2回しかお金が入らないからやや遅く、2ラウンドまでにある程度は上げておきたい。そう考えたときに、はたして2ラウンドまでに湖周りのお金を多めに取り、それらを動物に使いきることが可能なのか?・・という問題になってくる。
著者の感覚だと、これが結構狭き門に思えて苦労している。湖周りをたくさん埋めようとすると自ずと囲い地が小型になり、高コストの小型動物を引かない限りはお金を使いきれないし、逆に大型動物を出そうとすると湖周りの一部しか埋められずにお金が足りない・・という事態になってチグハグ。そもそも周囲の休憩のペースが速いと、自分だけたくさんお金を持った状態でフラグを切られてしまうこともある。
もちろん、うまいこと動物出しに成功して保全計画でも先行できる状況になれば強いのであるが。後援者のユニーク建物を湖周りに配置するプランも頭に入れておきたい。それで大量のお金を得ることで、通常では出せない動物を出せて伸びれることがある。
お金を手元に抱えたまましばらく収入が上がらない展開になると弱いので、動物が噛み合ってないときはむしろ湖周りにはこだわらずに、売店や展示館の位置関係を優先して収入を上げることを重視したほうがよいかもしれない。そうしたとしても、他のマップに比べれば序盤からお金を得やすいことには変わりない。
連続アクションの保全計画キューブについても、下準備ができていないと有効に活かしきれないので注意が必要。終盤の得点行動として強いのは一般に動物と協会であるが、動物は囲い地を用意した上でお金が残っていないとプレイできないし、協会もX-トークンをあらかじめ準備していないと連続では打てない。
ゲームが長引くほど手元は強くなっていくので、シルバー湖ではある程度後援者を出しながら進めたり、あまりゲーム展開が速くなりすぎないように注意したほうがよいかもしれない。湖周り以外でも後援者の力を借りてお金をたくさん手に入れられたりしていない限り、相手に高速展開を仕掛けられると連続アクションを使う機会がないままゲームを終わらせられてしまうことも多い印象。
もう1つシルバー湖のデメリットとして、協会絡みの保全点ボーナスの組み合わせの悪さがある。最も取りやすい3つ目の協会職員には保全点が付いておらず、4つ目の提携動物園には1保全点、そして必ずしも必要にはならない3つ目の大学に2保全点。
もし大学を取らずに高速で走りきるようなルートを選択した場合、ここの保全点が入らないことによって、マップを全部埋めたけれども終了条件に届かず、得点行動がなくなって頭打ちになってしまうリスクが他のマップよりも大きい。(著者は他のマップでは一度もないにもかかわらず、シルバー湖ではこのようにして負けたことが二度もある。)
その意味でも大学へは行ったほうが安定なのだが、なかなかゲームを早く終了させることは困難になる。当サイトの厳選棋譜には25ターンで終わった実績もあるが、一般にはシルバー湖は拡大再生産重視でゆっくりと手を進めて、最後に連続アクションを利用して大量得点を取って勝つような戦略に向いていると思う。
このように、お金は入るけれどもそれを勝ちにつなげるにはなかなかテクニックの要るシルバー湖。勝つのは難しくても序盤からお金がなくてやりたいことができなくなってしまうリスクは少ないので、マップAや0を卒業したばかりで上級マップを始めたての初心者には比較的お勧めかもしれない。
追記:
その後、自分も4ラウンド25ターン終了という飛び抜けた結果を出し、展開によってはシルバー湖はものすごく強いことを実感するに至った。架空索道+地質学者の最強コンボなので、それをシルバー湖自体の強さだと言ってしまってよいのかはわからないが、序盤からお金が潤沢なシルバー湖だからこそここまで早く終わったのは確か。
後援者で訴求点を大量に稼げるときは、盤面を埋めずに提携動物園や大学を少ししか取らない状態でもゲーム終了まで持っていけるため、協会絡みの保全点ボーナスの噛み合いの悪さは特にデメリットではなくなり、使えるお金が多い点だけがメリットとして残る。なので、この展開のときのシルバー湖は随一の強さだと思う。
つまり、架空索道、水族館、土着の家畜といった、大量に訴求点を稼げる後援者のシルバー湖との相性は特に良いと言える。
とくちゃん評価:B+
手札を3金で売却しながら回していける固有能力と、なんといってもマップから取れる乗数トークンが特徴的なマップ。
乗数トークンはうまく使えば非常に強力で、特に終盤に協会アクションに載せて保全計画を2回実行できれば、寄付などとも合わせて1手で大量得点を稼ぐことができる。この動きが間に合えば勝ち確レベルに強いが、そこに到達する前にゲームを終わらせられてしまうとまず勝てないという、両極端な性質を持っている。
終盤に向けて保全計画先を2つ用意できるかどうかは、保全計画カードの引き運やうまいこと基本保全計画に合った動物を取れるかどうかにかかっており、安定性には欠ける。また、一般に準備が完了するまでには手数がかかるので、後半追い上げ型の性質を有していると思う。(この点は展望塔とは真逆。)途中の保全計画を控えて温存したりするのは弱いので、そこは拡大再生産を優先して流れに任せたほうがよいであろう。
1つの定石として、事前に2スペース囲い地の保全計画収入をオープンにしておくと、ラウンド開始と同時にこの2スペース囲い地で乗数トークンのボーナススペースを埋めることができ、お金をたくさん持っていてかつしばらく休憩フラグを切られる恐れのない状態で、乗数トークンを確実に活かすことができる。流れによっては協会ではなく動物に乗数トークンを載せて、訴求点ラッシュをかけてもよいかもしれない。
手札売却の能力については、常にカードアクションで噛みつきのかわりにドローを選択することにすれば手札枚数が1枚増えるから、大まかには「カードアクションのたびに3金増える効果」のようなものであると考えることができる。それに加えて、疾走や知覚力などのドロー効果で要らないカードを引いたときにも3金に換えられるメリットがある。
実際にはどうしても噛みつきたいくらいに欲しいカードがディスプレイに並んでいることもあるし、ドローした結果出せる動物を1枚も引けずに出遅れてしまうリスクを常にはらんでいるので、そのデメリットの大きさからそこまで強い能力だとは思えない。特に2ラウンドあたりで引き運に恵まれなかったときは痛く、著者もそれで大きく出遅れた経験が何度かある。ドローした中から使うカードを自由に選べるから柔軟性があるように見えて、現実には噛みつきの回数が減ることで戦術選択の柔軟性がなくなる。ドローに頼る場合、よほどの引き運に恵まれない限りは基本保全計画に合った動物を計画的に集めるのも難しくなる。
マップ構成についても、序盤から能力を使おうとすると右下の5金を取れなかったり、左下がかなり狭くて直接つなげられる囲い地が2スペース以内だったりと、条件が厳しい。できれば後々まで取っておきたい機敏の配置ボーナスが左下にあるのもマイナスポイント。売店や展示館を効率的に配置するのも、他のマップと比べるとやや難しい印象。
カードアクションを改良すればよりカード選択が容易になり、強さ5で打てば噛みつく場合と比べてカード2枚分プラスで6金の増加になるから強化はされるが、元々カードアクションの改良は弱めにデザインされている印象なので、商業港だからといって必ずしも改良する必要はないと思う。他のマップと比べれば有効な場面が多いのは確かだが、早めに評判を上げていける流れのとき以外は、カード選択のメリットは限定的になると思われる。
このように、乗数トークンを有効に使えれば強いが、そこに至るまでが長かったりいろいろとクセがあってプレイが難しいというのが商業港の所感。
固有能力は継続的にお金を生み出すため一応お金系のマップには入ると思うが、シルバー湖のように序盤からまとめては手に入らないので、園内レストランタイプでやや魅力は薄い。アイスクリーム屋のような爆発力もない。
とはいえ、カードアクションを強さ4で打って2ドローするだけでも6金になり、強さ5の後援者アクションの5金よりも上なので、やりようによっては多めにお金が入ってくる。乗数トークンの使用に備えてゲームを長引かせたい立場なので、カードアクションでお金を得つつ、後援者アクションではなるべく後援者をプレイして休憩トークンを進めないようにするのも1つの手。カードアクションでは休憩トークンが2しか進まないので休憩タイミングを遅らせることができ、他プレイヤーのお金が枯渇したあとでも自身は手札を売却して得たお金で行動を続けたりできる。
高速展開には滅法弱い印象だが、まれに高速でゲームを終わらせている場面も見かける。(自分は成功したことないが、最短で27ターンを出されたことがある。)方向性としては、爬虫類館や大型鳥類館にたくさん動物を飼うことができ、保全計画にも順調に行ける展開のときは高速終了も狙えると思う。
商業港は相対的にカードアクションを有効利用できる特性から、他に何か要らないアクションがあっても(一部の動物で得られる機敏の効果をそれに充てたりして)手数効率を維持しやすいので、建設アクションを節約できる爬虫類館や大型鳥類館を利用する戦術とは相性が良いと思われる。
とくちゃん評価:B
レストラン周りで毎ラウンド5金を得られる。一見おいしい効果に見えるが、アークノヴァのゲームの多くは5ラウンドで終了するため、初回の収入からフルに発動させても5×4=20金。6ラウンドに突入しても25金しか利を得られない。シルバー湖の場から取れるお金が22金で、序盤から取って活かせることを考えると、毎ラウンド定期的に5金ずつで計20金しか入らないのは、控えめに言っても弱い効果だと思う。
同じく収入系の特殊能力を持つアイスクリーム屋と比較するとわかりやすいと思うので、比較を試みてみる。
以上のように、ほぼすべての項目でアイスクリーム屋が上回っており、園内レストランのほうが強い場面を探すのは難しい。
アイスクリーム屋ならふれあい動物が手札になくてもふれあい動物園を建てる意味は十分にあるが、収入力の低い園内レストランでこれをやってしまうのは罠だと思う。建設に6金かけても毎ラウンド3金しか返ってこないので、取り戻すまでに2ラウンドもかかってしまう。
良くも悪くも、園内レストランは基本保全計画でマウントを取らない限り勝ちを目指すのはなかなか難しいと思うので、1ラウンドからいち早くレストラン周りを覆うことよりも、地道に基本保全計画につながる動物を出しながら無理のない手順で埋めていくことをお勧めする。後援者のユニーク建物などを利用できるときは別だが、そうでなければ一般には5金収入得られるのは2ラウンドの終わりからになると思う。
ちなみに、マップ左下には後援者、右上には1評判の配置ボーナスがあり、初動の戦術範囲は比較的広いのだが、どちらも狭い所にあってふれあい動物園の建設を強いられるかたちをしているのが少々厳しい。ふれあい動物園は、「種の多様性」の保全計画があるときを除いてはなるべくは建てたくない。
このように配置ボーナスには比較的恵まれているのだが、狭い場所にあるために柔軟な利用が難しい印象。一方、マップ周囲は比較的広く、終盤でも大型動物を飼う場所に困ることは少ない。特に、4マスの大型動物をたくさん飼いやすい。
もう一つ触れると、保全計画の際に爬虫類館や大型鳥類館を無料で建てられるのも特徴的だが、特に大型鳥類館は右下に置きやすく、鳥類方面とは相性が良い。右上にもすっぽりハマるが、水域隣接を満たせないので注意。効果自体は10金プラス強さ5の建設アクション1回分で、特別囲い地を有効利用できるなら十分強い。基本保全計画に爬虫類や鳥類があるときは、建てることを前提に行動してよいと思う。
上記でアイスクリーム屋との比較をしてきたが、保全点ボーナスに関して言うなら園内レストランは4つ目の提携動物園に2保全点が付いており、ここに保全点が付いていないアイスクリーム屋とは大きく異なっている。むしろこれは展望塔と同じである。
提携動物園に2保全点が付いているということは、大学に比べると取りやすく、お金の軽減と大陸アイコンの点で動物や保全計画と親和性の高い提携動物園だけを取って押しきる戦術に6点(1保全点を3点として)を与えて正当化することを意味するので、より高速展開に向いている。
園内レストランの20金は、展望塔の10~12訴求点と比べると(1訴求点のコストは3金弱相当のため)弱く、高速展開を仕掛けづらいのは否めないが、保全計画争いに関しては、入ってくるお金を動物に投入してアイコンを増やせる園内レストランに一日の長がある。
お互いにぶん回った状態ではおそらく展望塔に負けてしまうと思われるが、そこは覚悟を決めて黙々と動物と保全計画に特化し、上に挙げたような園内レストラン固有のメリット(評判の範囲内からカードを取れるボーナスの多さ、水域や岩隣接のしやすさ、大型鳥類館との相性など)を活かしながら、走りきることを目指そう。強い動物を獲得する機会をなるべく逸しないように注意しながら。
何か特殊なコンボが成立したとき以外はほぼそれしか勝ち筋がなく、保全計画争いで上回れれば十分強いのだから…
安定してやや弱いマップよりも、大沈みすることが多くても展開に恵まれれば伸びて勝てるマップのほうが強い・・って誰かが言ってた。笑
<厳しいマップであるからこそのまとめ>
研究機関のマップ能力は、ジャイアントパンダのような強カードの出しやすさに目が行きがちですが、そこまで強力じゃなくてもアイコンが条件になっている動物カードはいろいろあるので、それらを序盤から出していけるという点で、とても丸い能力です。他のマップであれば苦しさしか感じないような重い初期手札でも、研究機関なら回せたりします。
左下から入るプラン以外にも、右辺の5金スペースや右下の評判ボーナスから入って拡大再生産を加速しつつ、早めに大学のマップボーナスに届かせることもできるので、取れる手は多種多様でとても受けが広いと思います。
お金を増やすような能力は特にないですが、マップの5金スペースは2ヶ所あり、左下から入った場合もその上の5金スペースには早めに届かせることができるので、そこまでお金に苦労することもないでしょう。
なんか、プレイ感としてはアークノヴァの中心というか、平均的な展開、結果に落ち着くことが多いイメージ。もちろんハマれば強いですが、印象的な場面は少なく気づいたらゲームが早く終わっていた・・みたいな。
研究機関のマップ能力により出す動物を選びやすくもなるはずなので、それにより基本保全計画に特化しやすいメリットはあると思います。
大学のマップボーナス絡みはやや注意が必要です。屋外区域の提携動物園とは違い、2つ目の大学は取らなくてよい場面もあると思います。大学は便利ではあっても直接お金や得点を生み出さないため、順調に保全計画を踏み続けられる状況なら、研究機関でも大学1つの状態で走りきっちゃったほうが強い気がします。
もちろん、早期に提携動物園と大学を両方2つにするのが、順当な研究機関の拡大再生産のかたちであるとは思いますが。
アイスクリーム屋のダントツだけは揺るぎそうもないです。同系統の園内レストランと比較しても、以下のようにことごとくアイスクリーム屋が上回っています。
・完成後の収入力で上回るにもかかわらず、5金のボーナスマスが序盤から取りやすい位置にある。
・一見完成が大変なように見えるけど、売店を置きながら展開していけるから実は大差ない。
・売店3マス分のアド+建設を急ぐことにメリットがあるから、盤面全埋めが容易。
・構築過程で後援者を出せる。(園内レストランは脇道に逸れてる)
・マップボーナス全体で見ても、1評判1ヶ所と売店3ヶ所以外はすべて等しい完全上位互換。
完成後も3ヶ所でカードを拾えるので、多少引きが悪くても動物を出しそびれて潤沢な収入を使い切れなくなるリスクは少ない。(むしろお金は足りなくなるくらい。)
場から2評判もらえれば、あと2評判の大学1つ取るだけでアクションカードの改良に届く。
もうやりたい放題ですね。(^^;
それでも、展開が下ブレしてくれれば、まだ他のマップでも勝負できるくらいの差ではありますが。(そうじゃなかったらゲーム成立してないですねw)でもせめて、評判得られるマスは1ヶ所でよかったんじゃなかろうか…
まず、Hを埋めたときに得られる後援者カードが運次第なのがきついです。後援者の中には序盤に引きたい強力なカードもいくつかあるけど、そこまで数は多くないし、条件が厳しくて序盤から出せないカードもあります。
そうなると、運に頼るよりもより確実なマップ右上の5金から得て進めたくなるけど、その場合もそれ以外にこれといったアドはないから、拡大再生産で遅れを取ってしまいます。他のどのマップも強力な固有能力か、少なくとも5金を上回る拡大再生産上のメリットを有しているからです。
Hをあとから埋めてそこで中盤系の強力な後援者カードを引ければ遅れは取り戻せますが、それも確率が低めな運であることに変わりありません。
そして、Hを埋めきると後援者を出しまくれる体制が整いますが、その頃にはごく一部の後援者を除いては、一般に動物や保全計画中心で手を進めていったほうが得点を稼ぎやすい状況になっており、勝利を目指す流れとまったく噛み合っていません。後援者を出しているうちに、ゲームを終わらせられてしまいます。
実戦経験でも、こっちが70点取ってるときにまだ30点の人いるなー・・と思って見たら、後援者いっぱい出してるハリウッド・ヒルズだったりするw
楽しくカード出してるうちにゲームが終わっちゃう、よくあるやつですw
このように不利であるにもかかわらず、評判の範囲からカードを拾えるマップボーナスは埋め方に自由度の低い1ヶ所しかなく、動物方面の拡大再生産をほとんど助けてはくれません。
このハリウッド・ヒルズによる他のマップと比較しての拡大再生産の遅れだけは絶対的なものに思えて、Hを埋めたときの運の力を借りないとどうしようもないので、私はハンデを背負ってるくらいのつもりで気楽にやっています。
運の下ブレは序盤よりも中盤から終盤にかけて発生したほうがまだ痛くないから、私は5金スペースから始めてHはあとから埋めるほうが好きです。序盤はカード増やしても手札があふれやすいのもありますし。
もしかすると、ハリウッド・ヒルズはロマン枠なのかもしれませんねー。運に期待するのも1つのゲームの楽しみ方ではありますし、実際それでうまくいって勝つ場合もあるでしょうから!