バトルライン/基本戦略 のバックアップ(No.2)


戦術カード

戦術カード9種10枚は以下の通り。

1.マイティ系4枚

1.1. リーダー(アレキサンダー・ダリウス)

完全オールマイティ。いずれも、「好きな色、好きな数字」になる。ただ、このゲームは「アレキサンダー対ダリウス」という構図になっているため、もし一人のプレーヤーがアレキサンダーとダリウスの両方を引いた場合、使用できるのはそれらのうち1枚のみで、もう片方はゲーム終了まで手札に抱える必要がある。ただ、リーダーは比較的強い戦術カードに分類されるため、仮に一人で両方引いてしまっても、「相手に引かれなかった」という価値はあるので、それほど悲観する必要はない。

なお、例えば「y4,y5」のところに「y6」のつもりでリーダーを出したが、後述の「霧(フォグ)」などにより、「大きい数字になりたい」という場合がある。リーダーの「好きな色、好きな数字」は、「役が決定する段階」で決めてよいので、仮に「霧(フォグ)」が出された場合、そのリーダーは、「y10」として扱って良い。

普通は、「3枚目の、役を完成させるポジションに使う」ことが多いこの戦術カードだが、ごく稀に、ゲーム終盤、「部隊カードを1枚も出していない列に、『その列の延命』のために、その列の1枚目としてこのカードを使う」という使用法をされることがある。

1.2. 援軍騎兵(コンパニオン・キャバルリー)

「好きな色の8」になるマイティ。麻雀をたしなんでいる方は、「麻雀は3と7が重要」という事はご存知と思うが、このゲームは最大の数字が10なため、「8」が麻雀でいうところの「7」のポジションに相当する。基本的にはウェッジのために使う戦術カードだが、「バタリオンテンパイだがその色のカードが既に10枚見えてしまった」といった場合など、バタリオンのために使うこともある。また、「8」という数字は比較的大きいため、バタリオン同士やホスト同士、また、後述の「霧(フォグ)」の争いのために使用されることも。

1.3. 盾(シールド・ベアラー)

「好きな色の3または2または1」になるマイティ。数字がちいさい分、自由度は高い。これも、ウェッジやファランクスの他、援軍騎兵の項目で述べたような「バタリオンのための使用」もあり得る。

2.移動系3枚

2.1. 裏切り(トレーター)

「相手の部隊カード1枚を自陣に移動させる」戦術。非常に強力だが、部隊カードにしか使えず、相手のマイティ系の戦術カードを対象に取ることは出来ない。うまくいくと、「相手の陣形を崩しつつ自分の陣形のプラスにする」ことで、この戦術カード1枚で「2勝分の働き」をすることもある。「相手の陣形を崩す」というだけの目的で使うことも出来るが、対象に取った部隊カードは、(自陣に置きたくなくても)必ず自陣に置く必要はある。自陣にカードを置くスペースがまったく無い場合、この戦術カードを使用することはできない。

勝利宣言が行われた列のカードを対象に取ることは出来ない。したがって、「逆転される見込みのない勝ち列」に対し、急いで勝利宣言を行わず、この戦術カードの可能性を考慮して「勝利宣言を保留する」というプレイも存在する。

2.2. 脱走(デザーター)

「相手の部隊カード1枚もしくはマイティ系戦術カード1枚をゲームから除外する」戦術。後述の「霧(フォグ)」や「沼(マッド)」は「列に対してプレイする戦術カード」であるため、この戦術で除外することはできない。

アレクサンダー(またはダリウス)を除外した場合、そのプレーヤーがもう1枚のリーダーを持っていたとしても、「アレクサンダーとダリウスは一人で両方使えない」という制約は残り、使うことは出来ない。

「相手のウェッジを崩すためにデザーターを打ったけどリーダーでカバーされた」、「ウェッジが否定された列にオールマイティを使ったけどデザーターでリーダーを除外された」といった感じで、デザーターとリーダーが「いってこい」になる、というケースも少なくない。

普通は「相手が3枚カードをプレイした列」に使うが、「相手のカードが2枚の列に、空きスロット目的でまくり目を否定する」という、いわゆる「ベーシックデザーター」というテクニックも存在する。

2.3. 配置転換(レデプロイ)

「自陣の部隊カード1枚もしくはマイティ系戦術カード1枚を別の列に移動させる、もしくはゲームから除外する」戦術。

この戦術カードは有効利用が難しいため、戦術カードの中では比較的弱い部類に分類される。

マイティ系戦術カードを対象に取れるので、たとえば、「リーダーで勝ちに行きました。でも、戦術カードでまくられました。では、負け列にリーダーがいるのはもったいないので、配置転換で移動します。」といった使い方が可能。

また、このゲームは、後述の「霧(フォグ)」という戦術カードが非常に強く、「霧(フォグ)」を使われた列はまくるのが非常に困難なのだが、「この戦術カードを使用して小さい数字のカードを除外して大きい数字を出してまくる」というプレイ(通称「きりかえし」)が存在する。レデプロイは比較的弱い戦術カードなため、強い戦術カードの「霧(フォグ)」の列をまくることが出来れば大儲けである。「霧(フォグ)」を使う時は、「きりかえし」をくらわないよう注意が必要。

また、早いタイミングで戦術カードを引くスタイルで、序盤に雑に「1,1,2」みたいに出して、相手がそれより大きいホストやスカーミッシャーといった弱い陣形を組んだ途端、この戦術カードでその2を除去して、ファランクスで勝つ、という「レデプロイ・トラップ」というテクニックも存在します。ある程度経験を積んだプレーヤーは、戦術を持っているプレーヤーが雑に「1,1,2」みたいに出したら、「レデプロイ・トラップ」を疑って、迂闊に弱い陣形は組まないのが普通なので、いわゆる「初見殺し」。

また、このゲームは、「後手は、相手の出方を見て陣形を組めるので比較的有利」と言われることが多いのですが、早いタイミングで戦術カードを引くスタイルでこの戦術カードを引いてしまった場合、雑に1とか出して、すぐにその1を除去することで、「先手の場合2手分、後手の場合3手分」、相手より後にプレイすることが可能になります。ただし、このゲームの「戦術ロック」は大きなディスアドバンテージであるため、それは覚悟する必要があります。

3.列に対して使う戦術2種

3.1. 霧(フォグ)

「この戦術カードが使用された列はすべてのフォーメーションを失い、単純な数値の合計勝負となる」、という戦術です。

作者ライナー・クニツィアは、「優れたゲームデザイナーは、優れたプレーヤーであるとは限らない」と前置きした上で、「私は、最も強力な戦術カードはリーダーだと思っている」と発言しました。しかし、我々の間では、最強の戦術カードは「霧(フォグ)」ということで一致しています。リーダーはデザーターで対処されますが、フォグを使用した列はまずまくられないので、ほぼ確実な1勝が計算出来ます。

この戦術はほぼ確実な1勝が計算出来るため、「2列を『偶然』で勝って、最後の1列をフォグの『必然』で勝って3点突破」という使用法が美しいです。

場合によっては、「相手の3点突破を防ぐため、仕方なくフォグで1列守る」、という、いわゆる「ディフェンシブ・フォグ」という使い方をすることもあります。ただ、この戦術は非常に強力なため、「出来ればこのような使い方はしたくない」、というのが本音です。

3.2. 沼(マッド)

「この戦術カードが使用された列は3枚勝負ではなく4枚勝負となる」、という戦術です。

この戦術は、序盤、中盤では活躍の機会が薄いですが、終盤は、「既に6枚見えている数字の相手のファランクスの列に使用してホストを誘う」、とか、「既に相手の4枚ウェッジが否定されている相手のウェッジの列に使用してバタリオン以下を誘って4枚ファランクスで勝つ」といった使い方がなされ、テイスト的には「脱走(デザーター)」とほぼ同等の振る舞いを見せます。

私のバトルラインの師匠であるAKA(メカダリウス)さんは「初手戦術ドロー派」なのですが、「初手で沼(マッド)を引くと困る」と言ってました。

4. その他1種

4.1 偵察(スカウト)

この戦術はかなり特殊で、「部隊デッキまたは戦術デッキから好きな組み合わせで3枚引く。そして、手札のカード2枚をデッキの上に戻す」、そして手番終了です。手札から偵察がなくなり手札マイナス1、偵察の効果で手札プラス3、偵察の返却の効果で手札マイナス2で、手札は7枚に戻ります。デッキの上に戻すカードは今引いた3枚である必要はなく、もともと持っていたカードでも構いません。手札が変動するだけで盤面は動かないので、「1手パス」という副次的効果もあります。

我々の間では、最初は「引く3枚は、カードを引く前に、『どちらのデッキから何枚、どちらのデッキから何枚』とコールしてから引く」というルールでしたが、その後、「この戦術は弱いので、1枚ずつ引いて、それを見て次どちらからドローするか決めてよい」というルールに変更されました(説明書にはこのへんの細かい記載はない)。

山札が2枚しか残っていない場合、2枚だけドローし、返却はルール通り2枚行います。

カードゲームは、「デッキ操作」が強いゲームも多いですが、このゲームのこの戦術カードは、「かなり弱い部類」に分類されます。「配置転換(レデプロイ)」と「偵察(スカウト)」が「2弱」といったイメージです。

そんなスカウトですが、初手戦術派には、通称「貯金箱」と呼ばれるテクニックが存在します。

初手でスカウトを引いたら、2手目でスカウトを打ち、戦術カードを3枚引き、「強い戦術カード」「弱い戦術カード」の順に戦術山に戻し、戦術カード1枚は手札に抱えます。そして、「もし相手がフタの『弱い戦術カード』を引いたら、自分も戦術山からドローして『強い戦術カード』を入手する」というプレイをします。

なお、Facemanは「昔は「初手戦術派」だったが、今は守破離して初手戦術をやめた」という経緯を持つので、必然的に貯金箱の機会も減ったのですが、初手戦術派のAKAさんによると、「相手が戦術カードを引いていない場合は、スカウトで引く戦術は2枚にして、自分も部隊7枚で戦う」そうです。

戦術山から3枚引いた場合、残す1枚は、相手の戦術に対応できるカードが望ましく、「相手のリーダーに対処できるデザーター」や、「相手のデザーターに対処できるリーダー」を残すケースが多いようです。

フタにする戦術カードは、「レデプロイ」が理想ですが、レデプロイを引かなかった場合、「沼(マッド)」や「盾(シールド・ベアラー)」あたりが候補のようです。

貯金箱以外の使用法としては、ゲーム終盤は部隊デッキのクオリティが高いことがあるので、「部隊カード3枚を引く」、というものです。うまくいくと2勝分の働きをすることもあります。スカウトは非常に弱い戦術カードですが、稀に、「軍3スカウトだけが唯一の正解だった」、みたいなゲームもあります。

基本は「ウェッジ狙い」、そして、「大きい数字はウェッジ狙い、小さい数字はファランクス狙い」

このゲームの最も強いフォーメーションは「ウェッジ」です。したがって、基本は「ウェッジ狙い」がいいです。

「ウェッジ狙い」のメリットとして、ウェッジ狙いなら「仮にウェッジが成就しなかったとしても、バタリオンやスカーミッシャーに逃げれる」のに対し、ファランクスは、「成就しなかった場合はホストになる」という点が挙げられます。

「8,9,10のウェッジ(通称「ぱっくじゅ」)」は、成就すれば、戦術を使われなければ確実に1列取れるので強力です。このゲームは「空きスロットは出来るだけ作らない方がいい」ので、もし「ぱっくじゅ」のテンパイを作られたら、何でもいいのでその列に1枚カードをプレイすることをおススメします。

小さい数字は弱いですが、だからこそ、「小さい数字をうまく使う」ことが大切です。理想は、「相手のハイウェッジテンパイに対してローファランクスをぶつける」、です。ウェッジは最強のフォーメーションですが、カンチャンペンチャンだと成就しない確率は50%、リャンメンでも成就しない確率は25%あります。Facemanは、「運の偏りがなければ、基本的に、1つの数字は3枚ずつ引く」と考えていて、特に序盤のトイツは、高い確率で3枚目が引けると思っています。小さい数字は弱いですが、「相手のハイウェッジテンパイに対してローファランクスをぶつける」ことに成功すれば、小さい数字で大きい数字に勝つことも出来ます。

小さい数字はファランクスにするのが効率いいのですが、ひとつ注意点があります。それは、「オープン列にローファランクステンパイ(すなわちトイツ)を作らない事」、です。オープン列にロートイツを出してしまうと、相手は、「それより少し大きいファランクス」で容易に1列確保できてしまいます。

9個のフラッグの中では、「3列目」と「7列目」が大事

「麻雀では、3と7が重要」と先述しました。これは、バトルラインのフラッグにも言えて、9個のフラッグの中では「3列目」と「7列目」が大事です。

もし「3列目」を取ることに成功すれば、「2列目」「1列目」は、落としても3点突破には絡みません。そして、もし、「3列目と2列目」を取ることに成功すれば、本来重要度の低いはずの「1列目」も相手は落とせなくなり、それなりの戦力を割かないといけなくなります。

部隊カードでは「8」が重要

重ねて言いますが、「麻雀では、3と7が重要」と先述しました。麻雀は基本的に順子を作るゲームなので、端から3つ目の「3」と「7」が重要というわけです。

バトルラインも、基本的にはウェッジを作るゲームなので、端から3つ目の「8」がキーカードとなります。

このゲームは「ぱっくじゅ」が強いので、「9」や「10」も重要なのですが、「9」や「10」は、相手に「8」を持たれていると、一手で死にます。一方、「8」は、一手で死ぬことはありません。

初手で「8」を持っていたら、それを「3列目(7列目)」に出す

バトルラインは、「初心者にやさしくないゲーム」だと思います。それは、これはどのゲームにも共通して言える事だと思いますが、「多くのゲームはスタートダッシュが大事」なのですが、バトルラインというゲームは、「序盤のプレイの自由度が無駄に高すぎる」という性質を持っているからです。

なので、ここからしばらくは、「初心者は初動でどう動くべきか」、について述べたいと思います。

上2つの話(「3列目(7列目)が大事」「「8」が重要」)を合わせることで、Facemanは、「初手で「8」を持っていたら、それを「3列目(7列目)」に出す」のが良いと考えています(師匠のAKAさんは、初手戦術派ということもあり、初手で「8」を持っていても初手では出さず、端列にミドルクラス(「6」あたり)を出すようです)。

「6」はそこそこ強いカードなので、例えば1列目に「6」を出して主張をして、3列目に「8」を出されて3列目を勝たれてしまうと、せっかくの「6」がもったいないです。初手で3列目に「8」を出せば、3列目の優勢が築け、1列目には「6」よりももっと小さい「4」とか「3」をプレイするといったことも可能になります。

初手で「8」を持っていなかったら、「1列目(9列目)」にミドル~ロー(目安として「6」以下)の「ウェッジテンパイ」を出す

Facemanは、基本的に、「バトルラインというゲームは、『2枚ずつカードを出したいゲーム』」だと考えています。「バトルラインは、後手は先手の出方を見てプレイを決めれるので有利と言われることがある」ということは先述しましたが、仮に先手が1つの列に2枚カードをプレイして、後手は2つの列にカードを1枚ずつプレイしたら、その関係性は逆転します(なお、師匠のAKAさんは「1枚出し」を恐れないスタイルですが、「早期に9列分プレイしていまい、後から手札にウェッジが揃ってしまう」、というケースもあるようです)。

ウェッジテンパイは、それが仮にカンチャンやペンチャンであっても、成就すれば強いです。なので、仮に初手で持っているウェッジテンパイが「1,2のペンチャン」であったとしても、他に良い選択がなければ出しに行きます。

初手に「8」もミドル~ローのウェッジテンパイもない場合、単独の「9」「7」のスタートを視野に入れ、「9」なら「2列目(8列目)」、「7」なら「4列目(6列目)」に出す

これは、師匠のAKAさんから教わりました。Facemanはいろいろ守破離していますが、これだけはAKAさんの教えを守っています。

「どうして「9」なら「2列目(8列目)」、「7」なら「4列目(6列目)」がいいのか」、は、AKAさんに聞いたことあったかもしれませんが、忘れました。ただ、Facemanはこのゲームを(AKAさんほどではないものの)かなりの回数プレイしており、盲目的にこの法則に従うだけでもかなりの結果を残せているので、採用しています。おそらく、「「9」は一手で死ぬリスクがある分「7」より脆弱なため、「9」4列目、「7」2列目よりは、「9」2列目、「7」4列目がいい」、ということだと思います。

どうしようもない場合、「端列「6」」を採用する

9列のフラッグの中で一番重要度の低い列は端列なので、手札がどうしようもない場合は、端列スタートを採用します。

端列の重要度が低いといっても、5点勝ちを考慮すると、おいそれと相手に渡すわけにはいきません。そこで、ミドルクラスの「6」をプレイします。

基本的に、相手がカードをプレイした列には、「それより大きい数字」を出したいです。しかし、端列は、重要度が低いです。なので、「6」クラスをプレイして、「私は「6」をプレイしたので、数字で上回るためには「7」以上をプレイする必要がありますが、「7」は十分強いカードですが、果たしてその強い「7」を、この重要度の低い端列に本当にプレイしますか?」と問いかけるのです。

なお、「端列「6」」の採用の優先度に違いはあるかもしれませんが、「「端列「6」」というアイデアは師匠AKAさんの教え」、ということは強調しておきます。

テクニック「リスペクト」

いよいよここからはテクニックの話になります。最初にご紹介するのは「リスペクト」です。

理屈はヌキにして、まずは「リスペクトをやるにはどうすればいいか」を説明します。

条件は、

1.相手が(3列目・7列目でもいいので)「8」をプレイしていること
2.手札にロートイツ(出来れば3以下が望ましい)があること

の2つです。

やり方は簡単。「相手の「8」を見かけたら、手札のロートイツをそれにぶつける」、です。

「相手のハイウェッジテンパイにローファランクスをぶつけると良い」、というのは先述しました。しかし、「リスペクト」では、相手はハイウェッジテンパイではなく、ただの単独の「8」です。そんな相手に、果たして脆弱なロートイツをぶつけてしまっても良いものなのでしょうか?

ハイウェッジテンパイ対ロートイツなら、「相手のウェッジが成就せずにこちらのファランクスが成就すればフラグ獲得」です。しかし、単独の「8」が相手の場合、相手がウェッジに行くとは限らず、「「8」のファランクス」に構える可能性があります。

しかし、「リスペクト」では、「8」という数字の特殊性に着目することで、本来であれば手札を圧迫しがちなロートイツを、最も効率的な形で処理することに成功します。

確かに、単独の「8」相手のロートイツは、「8」のファランクスに負けます。しかし、果たして、「8」のファランクスという形は、いい形でしょうか?

先述の通り、バトルラインというゲームは、「大きい数字はファランクスに使」いたいです。「8」のファランクスを作ったと仮定しましょう。もしその色の「9」と「10」を引いたとしたら、どうでしょう?本来であれば最強役であるはずの「ぱっくじゅ」が、貴重な「8」をファランクスに使ってしまったがために作れなかったどころか、強カードであるはずの同色の「9」と「10」が手札を圧迫する、という、なんとも悲劇的な結末となってしまいました。

というわけで、「「8」のファランクスは愚形」と言えます。「単独の「8」相手のロートイツに対し「8」のファランクスに構えてくれるなら本望、どうぞ「8」ファラを作ってください」、というのが、リスペクトの狙いです。

なお、Facemanは、「リスペクトの考案者はFacemanで、「単独の「8」に対してロートイツをぶつけるのがリスペクト」という認識なのですが、師匠のAKAさんは、「Facemanのリスペクトより前に「単独の「8」に対して123のローウェッジをぶつける」というプレイを行っており、「「8」に対しローウェッジをぶつける」のが「原始リスペクト」、Facemanのリスペクトは「近代リスペクト」」という認識です。Facemanは、「(近代)リスペクトは、序盤に発生しがちで手札を圧迫しがちなロートイツを効率的に処理出来るからこそ価値がある」と思っており、「序盤のトイツはファランクスになりやすいが、ローウェッジテンパイはそもそもローウェッジにならないリスクを孕んでおり、もしローウェッジが否定されれば、バタリオン合戦で負けてしまう」ため、申し訳ありませんが、「原始リスペクト」に価値を見出していません。この件に関するAKAさんの見解は、「初手戦術派は初手の戦術で盾を引く可能性があるので、原始リスペクトなら、相手がバタリオン合戦に来たら盾でまくれるという利点がある」ということです。Facemanは守破離して初手戦術をやめてしまい、「初手戦術の是非」の議論は「ベーシック・アドバンス」並みの宗教論争に発展する恐れがあるため、ここではこれ以上の言及は控えさせていただきます。

テクニック「リスペクト待ち」

これは、相手が「リスペクト」を知っている場合にのみ成立するテクニックです。

初手で「87」、または「86」があったとします。

「87」や「86」を出しに行くと、もしかしたら「ぱっくじゅ」でオーバーテイクされるかもしれません。

そんな時、「8」だけ出して、相手がリスペクトしてくるのを待って、リスペクトしてきたら、おもむろに「7」や「6」をプレイします。

テクニックと呼ぶほどのプレイではないかもしれませんが、知っておくといいと思います。

テクニック「リスペクト返し」

これは、初手戦術派が初手で弱戦術のレデプロイを引いてしまった時に有効なテクニックです。

ます、3列目(7列目)に「8」を出します。
そして、相手がリスペクトしてきたとします(例:11)。
この時、おもむろにレデプロイで「8」を移動させます。
これにより、重要拠点である3列目(7列目)を、カスみたいな222のような弱ファランクスで勝利でき、再配置した「8」は新天地で活躍出来ます。

リスペクト返しをする場合、「8」の移動先は、2列目(8列目)がいいでしょう。
3列目と2列目が取れれば、相手は、本来重要度が低いはずの1列目に、それなりの戦力を投入する必要が出てきます。

テクニック「同色かぶせ」

これも、理屈ヌキに、まず「同色かぶせのやり方」を説明します。

非常に簡単で、文字通り、「相手が出してきたカードに対し、同色の「1大きい数字」をぶつける」プレイです。

同色かぶせを行うと、通常の場合、お互いのウェッジの完成確率は25%ずつとなります。従って、「お互いウェッジにならない」可能性が高く、その場合、「ファランクス争い」「バタリオン争い」ともに、かぶせ側の方が優勢、というわけです。

序盤、同色かぶせは、主に「端列」のミドルクラスの数字で発生しがちです。

ミドルクラスの数字同士であればお互いにウェッジの可能性が残りますが、場合によっては、ウェッジの可能性のない、「「8」に対する「9」」や、「「9」に対する「10」」でも同色かぶせを行うことがあります。

Facemanは、同色かぶせは非常に有効なプレイと認識しておりますが、師匠のAKAさんは、最近は、同色かぶせを嫌う傾向にあります。理由は、次に説明するテクニック「フィフティ・フィフティ」の存在によります。同色かぶせとフィフティ・フィフティには密接な関係があるため、この件については次項で説明します。

なお、余談ですが、Facemanは同色かぶせが好きで、同色かぶせのイニシャルは「DSK」ですが、Facemanはプエルトリコの大倉庫も好きで、奇しくも、大倉庫のイニシャルも「DSK」です。

テクニック「フィフティ・フィフティ」

これも、まずやり方を説明します。

バトルラインは、基本的には「ウェッジを狙いに行く」ゲームという認識ですが、いつもいつもウェッジが完成するとは限りません。

ウェッジが否定された場合、次の最強役は「バタリオン」になります。

ここで、仮に、「同色の「6」と「54」が見合っている」とします。

そして、「6」側が、「10」または「3」を持っているとします。

この時、その「10」または「3」をその列にプレイする、というテクニックがあります。これが「フィフティ・フィフティ」です。

もし「10」をプレイした場合、「54」側が「3」をプレイすればウェッジで文句なく勝ちですが、「6・10」側が「3」をプレイしても、お互いの最強役がバタリオンとなり、バタリオン同士は「数字の合計で勝負する」というルールがあるため、(戦術を考慮しなければ)「6・10・3」側が勝利します。

もし「3」を先にプレイした場合も同様で、既にお互いのウェッジが否定されているため、「10」をプレイした側の勝利となります。

このように、「手札の邪魔な10、または相手のウェッジの否定要素を処理しながら、勝率50%の同色のバタリオン合戦に持ち込む」のが「フィフティ・フィフティ」です。

理想は「手札でバタリオン勝ちが確定してから出しに行く」、ですが、バトルラインというゲームは、ゲームが進むにつれ不要な手札も増えていくため、「手札を圧迫しがちなウェッジ作りに関係しない10や相手のウェッジ否定要素を処理しながら、かつ50%の勝率を主張するフィフティ・フィフティ」は、非常に有効なテクニックと言えます。

ここで、先ほど保留した「AKAさんが同色かぶせを嫌う件」です。フィフティ・フィフティは「同色のバタリオン合戦」という性質上、同色かぶせと密接な関係にあります。

AKAさんが同色かぶせを嫌う理由は、「かぶせられ側がフィフティ・フィフティに持ち込んだ場合、かぶせ側は必ずしも有利ではない」からです。

先ほどの例では「かぶせ側がフィフティ・フィフティに持ち込むケース」をご紹介しましたが、フィフティ・フィフティは「かぶせられ側が持ち込む」ことも可能で、たとえば、「67」と「5」が見合っていた場合、「8」と「10」が「フィフティ・フィフティ対象カード」となります。

確かに「かぶせられ側がフィフティ・フィフティに持ち込むケース」もありますが、「67」と「5」が見合って「5」側のフィフティ・フィフティが成就する確率は25%です。それに、もし「68」と「57」の対決であれば、「68」側は、「9」でも勝つことが出来ます。同色かぶせは、やはり、「かぶせ側が有利」だと思います。

テクニック「ポイントオン」

これは、例を見てもらった方が早いでしょう。

たとえば、「89」と「33」が見合っているとします。「89」側は、当然のことながら、「7」か「10」をプレイすれば勝利できますが、もしここの「33」以外に3が3枚見えていた場合、この「89」の列に「3」をプレイすることで、(戦術を使われなければ)この列に勝利出来ます。

このような、「相手のテンパイの待ちを、同じ列の自陣の3枚目としてプレイして、相手の役を否定しながら自陣の役を作るプレイ」のことを「ポイントオン」と呼んでいます。「ポイントオン」というのは、もともとはバックギャモン用語で、「相手の駒をヒットしながらその位置にポイントを作る(つまりその位置に2個以上の駒を置く)」プレイの事を指します。

よくあるのが今言ったような「相手のファランクスを消しながらホスト対ホストの勝負に持ち込むパターン」ですが、「46」と「55」が見合っている時に、「相手のウェッジの構成要素の5をプレイして、相手のウェッジを否定しながら自分はファランクスを完成させて勝利する」、というプレイも、「広義のポイントオン」と言えると思います。

先述の「893」対「33」のようなケースは、戦術でまくられる可能性がある点に注意が必要です。

ポイントオンが特に効果的なのが、「戦術ロック」のケースです。戦術ロックの間は、「戦術によるまくり」を気にしなくていいので、ポイントオンが決まれば確実に1列取れます。

テクニック「デュプリケイト」

バトルラインというゲームは、決められた手札で陣形を構成していく関係上、どうしても、「強い列」と「弱い列」が出てきます。

例えば、相手の3列目と1列目が優勢で、手札があまりよくなく、ここからさらに「どこか弱い列を作らないといけない」とします。

そんな時、「(1列目のスジに当たる)4列目を弱い列にする」というテクニックがあります。これが「デュプリケイト」です。

「デュプリケイト」というのももともとはバックギャモン用語で、「相手にとって都合のいい目を偏らせる」ことにより、ピンチの被害を最小限にとどめる、というものです。

バトルラインのデュプリケイトの場合、仮に3列目と1列目を落として、4列目も落とした場合、「5列目も3点突破の対象になる」のは痛いですが、少なくとも2列目に関しては、「もともと3点突破の対象列」なので、4列目を落とした事は直接関係しません。

ここまで「攻め」のテクニックを中心に紹介してきた中で、デュプリケイトは「守り」の地味なテクニックで、デュプリケイトに頼らないといけない局面は既に危険水域と言えますが、どんな局面でもあきらめるのは良くなく、少しでも勝ちの可能性があれば、それを追求すべきでしょう。

テクニック「物理的に遠い位置に証明カードをプレイ」

はっきり言って、このテクニックは、これまで紹介してきたテクニックのような派手なプレイではなく、「気の利いたネーミングもされない」レベルのテクニックですが、意外と意味なくはないので、ここに紹介します。

たとえば、5列目で「56」と「111」が見合っていて、「7」が既に晒されているとします。この時、もう片方のウェッジの構成要素の「4」を、1列目(9列目)に晒します。

この時、相手は、「5列目に1枚ディスカードする」、または「5列目を戦術カードで勝ちに行く」ことが可能ですが、証明カードを5列目から物理的に遠い位置の1列目(9列目)に晒すことで、相手の5列目の「ディスカード忘れ」を誘発できることがあります。

書いてて情けなくなるくらいチャチなテクニックですが、これが意外と成功率は悪くありません。

証明カードを晒すとき、「なんらかの役のテンパイとなる2枚目」といった出し方をすると、より成功率は高くなります。

テクニック「貯金箱」

戦術の説明の項目で先述した通りです。

テクニック「レデプロイ・トラップ」

戦術の説明の項目で先述した通りです。