バトルライン/戦術カード のバックアップ(No.2)


マイティ系3種(4枚)

 リーダー(アレキサンダー・ダリウス)

完全オールマイティ。いずれも、好きな色、好きな数字になる。ただ、このゲームはアレキサンダー対ダリウスという構図になっているため、もし一人のプレーヤーがアレキサンダーとダリウスの両方を引いた場合、使用できるのはそれらのうち1枚のみで、もう片方はゲーム終了まで手札に抱える必要がある。ただ、リーダーは比較的強い戦術カードに分類されるため、仮に一人で両方引いてしまっても、相手に引かれなかったという価値はあるので、それほど悲観する必要はない。

なお、例えばy4,y5のところにy6のつもりでリーダーを出したが、後述の霧(フォグ)などにより、大きい数字になりたいという場合がある。リーダーの好きな色、好きな数字は、役が決定する段階で決めてよいので、仮に霧(フォグ)が出された場合、そのリーダーは、y10として扱って良い。

普通は、3枚目の、役を完成させるポジションに使うことが多いこの戦術カードだが、ごく稀に、ゲーム終盤、部隊カードを1枚も出していない列に、その列の延命のために、その列の1枚目としてこのカードを使うという使用法をされることがある。

 援軍騎兵(コンパニオン・キャバルリー)

好きな色の8になるマイティ。麻雀をたしなんでいる方は、麻雀は3と7が重要という事はご存知と思うが、このゲームは最大の数字が10なため、が麻雀でいうところののポジションに相当する。基本的にはウェッジのために使う戦術カードだが、バタリオンテンパイだがその色のカードが既に10枚見えてしまったといった場合など、バタリオンのために使うこともある。また、という数字は比較的大きいため、バタリオン同士やホスト同士、また、後述の霧(フォグ)の争いのために使用されることも。

 盾(シールド・ベアラー)

好きな色の3または2または1になるマイティ。数字が小さい分、自由度は高い。これも、ウェッジやファランクスの他、援軍騎兵の項目で述べたようなバタリオンのための使用もあり得る。

移動系3種

 裏切り(トレーター)

相手の部隊カード1枚を自陣に移動させる戦術。非常に強力だが、部隊カードにしか使えず、相手のマイティ系の戦術カードを対象に取ることは出来ない。うまくいくと、相手の陣形を崩しつつ自分の陣形のプラスにすることで、この戦術カード1枚で2勝分の働きをすることもある。相手の陣形を崩すというだけの目的で使うことも出来るが、対象に取った部隊カードは、(自陣に置きたくなくても)必ず自陣に置く必要はある。自陣にカードを置くスペースがまったく無い場合、この戦術カードを使用することはできない。

勝利宣言が行われた列のカードを対象に取ることは出来ない。したがって、逆転される見込みのない勝ち列に対し、急いで勝利宣言を行わず、この戦術カードの可能性を考慮して勝利宣言を保留するというプレイも存在する。

 脱走(デザーター)

相手の部隊カード1枚もしくはマイティ系戦術カード1枚をゲームから除外する戦術。後述の霧(フォグ)や沼(マッド)は列に対してプレイする戦術カードであるため、この戦術で除外することはできない。

アレクサンダー(またはダリウス)を除外した場合、そのプレーヤーがもう1枚のリーダーを持っていたとしても、アレクサンダーとダリウスは一人で両方使えないという制約は残り、使うことは出来ない。

相手のウェッジを崩すためにデザーターを打ったけどリーダーでカバーされたウェッジが否定された列にリーダーを使ったけどデザーターでリーダーを除外されたといった感じで、デザーターとリーダーがいってこいになる、というケースも少なくない。

普通は相手が3枚カードをプレイした列に使うが、相手のカードが2枚の列に、空きスロット目的でまくり目を否定するという、いわゆるベーシックデザーターというテクニックも存在する。

 配置転換(レデプロイ)

自陣の部隊カード1枚もしくはマイティ系戦術カード1枚を別の列に移動させる、もしくはゲームから除外する戦術。

この戦術カードは有効利用が難しいため、戦術カードの中では比較的弱い部類に分類される。

マイティ系戦術カードを対象に取れるので、たとえば、リーダーで勝ちに行きました。でも、戦術カードでまくられました。では、負け列にリーダーがいるのはもったいないので、配置転換で移動します。といった使い方が可能。

また、このゲームは、後述の霧(フォグ)という戦術カードが非常に強く、霧(フォグ)を使われた列はまくるのが非常に困難なのだが、この戦術カードを使用して小さい数字のカードを除外して大きい数字を出してまくるというプレイ(通称きりかえし)が存在する。レデプロイは比較的弱い戦術カードなため、強い戦術カードの霧(フォグ)の列をまくることが出来れば大儲けである。霧(フォグ)を使う時は、きりかえしをくらわないよう注意が必要。

また、早いタイミングで戦術カードを引くスタイルで、序盤に雑に1,1,2みたいに出して、相手がそれより大きいホストやスカーミッシャーといった弱い陣形を組んだ途端、この戦術カードでその2を除去して、ファランクスで勝つ、というレデプロイ・トラップというテクニックも存在する。ある程度経験を積んだプレーヤーは、戦術を持っているプレーヤーが雑に1,1,2みたいに出したら、レデプロイ・トラップを疑って、迂闊に弱い陣形は組まないのが普通なので、いわゆる初見殺し

また、このゲームは、後手は、相手の出方を見て陣形を組めるので比較的有利と言われることが多いが、早いタイミングで戦術カードを引くスタイルでこの戦術カードを引いてしまった場合、雑に1とか出して、すぐにその1を除去することで、先手の場合2手分、後手の場合3手分、相手より後にプレイすることが可能となる。ただし、このゲームの戦術ロックは大きなディスアドバンテージであるため、それは覚悟する必要がある。

列に対して使う戦術2種

 霧(フォグ)

この戦術カードが使用された列はすべてのフォーメーションを失い、単純な数値の合計勝負となる、という戦術である。

作者ライナー・クニツィアは、優れたゲームデザイナーは、優れたプレーヤーであるとは限らないと前置きした上で、私は、最も強力な戦術カードはリーダーだと思っていると発言した。しかし、我々の間では、最強の戦術カードは霧(フォグ)ということで一致している。リーダーはデザーターで対処されるが、フォグを使用した列はまずまくられないので、ほぼ確実な1勝が計算出来る。

この戦術はほぼ確実な1勝が計算出来るため、2列を「偶然」で勝って、最後の1列をフォグの「必然」で勝って3点突破という使用法が美しい。

場合によっては、相手の3点突破を防ぐため、仕方なくフォグで1列守る、という、いわゆるディフェンシブ・フォグという使い方をすることもある。ただ、この戦術は非常に強力なため、出来ればこのような使い方はしたくない、というのが本音。

 沼(マッド)

この戦術カードが使用された列は3枚勝負ではなく4枚勝負となる、という戦術。

この戦術は、序盤、中盤では活躍の機会が薄いが、終盤は、既に6枚見えている数字の相手のファランクスの列に使用してホストを誘う、とか、既に相手の4枚ウェッジが否定されている相手のウェッジの列に使用してバタリオン以下を誘って4枚ファランクスで勝つといった使い方がなされ、テイスト的には脱走(デザーター)とほぼ同等の振る舞いを見せる。

なお、私のバトルラインの師匠であるAKA(メカダリウス)さんは初手戦術ドロー派であるが、初手で沼(マッド)を引くと困ると言っていた。

その他1種

偵察(スカウト)

この戦術はかなり特殊で、部隊デッキまたは戦術デッキから好きな組み合わせで3枚引く。そして、手札のカード2枚をデッキの上に戻す、それで手番終了。手札から偵察がなくなり手札マイナス1、偵察の効果で手札プラス3、偵察の返却の効果で手札マイナス2で、手札は7枚に戻りる。デッキの上に戻すカードは今引いた3枚である必要はなく、もともと持っていたカードでも構わない。手札が変動するだけで盤面は動かないので、1手パスという副次的効果もある。

我々の間では、最初は引く3枚は、カードを引く前に、「どちらのデッキから何枚、どちらのデッキから何枚」とコールしてから引くというルールであったが、その後、この戦術は弱いので、1枚ずつ引いて、それを見て次どちらからドローするか決めてよいというルールに変更された(説明書にはこのへんの細かい記載はない)。

山札が2枚しか残っていない場合、2枚だけドローし、返却はルール通り2枚行う。

カードゲームは、デッキ操作が強いゲームが多いが、このゲームのこの戦術カードは、かなり弱い部類に分類され、配置転換(レデプロイ)偵察(スカウト)2弱といったイメージ。

そんなスカウトだが、初手戦術派には、通称貯金箱と呼ばれるテクニックが存在する。

初手でスカウトを引いたら、2手目でスカウトを打ち、戦術カードを3枚引き、強い戦術カード弱い戦術カードの順に戦術山に戻し、戦術カード1枚は手札に抱える。そして、もし相手がフタの弱い戦術カードを引いたら、自分も戦術山からドローして強い戦術カードを入手するというプレイをする。

なお、Facemanは昔は初手戦術派だったが、今は守破離して初手戦術をやめたという経緯を持つので、必然的に貯金箱の機会も減ったが、初手戦術派のAKAさんによると、相手が戦術カードを引いていない場合は、スカウトで引く戦術は2枚にして、自分も部隊7枚で戦うそう。

戦術山から3枚引いた場合、残す1枚は、相手の戦術に対応できるカードが望ましく、相手のリーダーに対処できるデザーターや、相手のデザーターに対処できるリーダーを残すケースが多いよう。

フタにする戦術カードは、レデプロイが理想だが、レデプロイを引かなかった場合、沼(マッド)盾(シールド・ベアラー)あたりが候補のよう。

貯金箱以外の使用法として、ゲーム終盤は部隊デッキのクオリティが高いことがあるので、部隊カード3枚を引く、というプレイがある。うまくいくと2勝分の働きをすることもある。スカウトは非常に弱い戦術カードだが、稀に、軍3スカウトだけが唯一の正解だった、みたいなゲームもある。